私たちは、なぜ文字を書くのか

書こうとしているのに進まない。考えていることはあるのに文字にならない。板書を書いているうちに授業の内容が分からなくなる…。そんな子どもたちと関わっていると「もっと練習しよう」の前に考えなければならないことがあるように思えてきます。そもそも私たちはなぜ文字を書くのでしょうか。今回は小学校や特別支援学校の学習指導要領を手がかりにしながら、「書くこと」の意味について考えてみたいと思います(荻布)。
川﨑・奥村・荻布 2026.06.07
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3人の先生のニュースレターは、こどもの発達や障害、広く保育や教育に関して気になるニュースや最新の研究を取り上げます。川崎・奥村・荻布のそれぞれの専門性を活かしながら子どもの発達支援や教育・社会福祉のエビデンスを深堀し、経験値をエビデンスとして皆様の生活に還元しようとする試みです。根拠の乏しいハウツーとは一線を画して、間違いの少ない情報を届けたい人に届けていくことを目標にしています。

「そもそも、私たちはなぜ文字を書くのか?」

 私たちの生活にとって「文字を書くこと」はごく当たり前の行為です。特に学校では毎日のように「書く」ことが求められます。

 ノートに板書を写す。漢字の練習をする。プリントに回答を書きこむ。日記や作文を書く。壁新聞に書いてまとめる。美しく書いて作品をつくる。学校での学習活動はさまざまな「書く」によって成り立っています。GIGAスクール構想によって一人1台端末の活用が進み、ICT機器を用いた学習は急速に広がり、一人一台端末を活用した学習も珍しいものではなくなりました。そんなデジタル時代においても、なお、ペンと紙を用いて実際に「書くこと」は、変わらず学校教育の中で重視され続けています。

 私たちは、なぜ文字を書くのか?

 この問いは、意外と正面から語られることはありません。しかしさまざまな理由から書くことに苦手さを抱える子ども達と向き合っていると、この問いの重要性が感じられます。この問いに対する答えが曖昧なままに子どもと向き合うことは、書字の指導そのものが目的化してしまう危うさをはらんでいるように思うのです。

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