昨今の読み書き研究の在り方を環境面から再考する【動画公開】
3人の先生のニュースレターは、こどもの発達や障害、広く保育や教育に関して気になるニュースや最新の研究を取り上げます。川崎・奥村・荻布のそれぞれの専門性を活かしながら子どもの発達支援や教育・社会福祉のエビデンスを深堀し、経験値をエビデンスとして皆様の生活に還元しようとする試みです。根拠の乏しいハウツーとは一線を画して、間違いの少ない情報を届けたい人に届けていくことを目標にしています。継続的な執筆のためにぜひサポートメンバー登録もお願いいたします。
10月17~18日に日本LD学会第34回大会が東京で開催され、その際、自主シンポジウム「フォントや背景色などの文字の表示形式・媒体の違いが読むこと書くことにもたらす効果とは?」を企画し、3人が順番に話題提供をしました。
このシンポジウムの時点では、まだまだ全てを明らかに出来ているとは言い難くあくまでも「検討の途中」ではありますが、現時点で3人それぞれが、文字の読み書きと表示形式や使用媒体との関係を明らかにしようとした研究知見を報告してきました。最終回は「ノート・背景色の決着にむけて」の要点です(公開期間は1/12~1/25までの2週間)。
今回で3回目になります。今回は、私が日本LD学会で行ったシンポジウムの内容をもとに、「読みと環境――フォントや背景色」の視点を通じて読む行為の再構築を図ろうしている研究の「とっかかり」について少しお話しします。
フォントや背景色が「読みやすさ」に影響する、という話はこれまでにも何度も聞いたことがあると思います。一方で、「効果がある」「いや、ほとんど変わらない」といった議論もあります。この論争・・・どこか噛み合わないまま続いてきた、そんな印象を持っている方も多いのではないでしょうか。どこか当事者不在だし、ディスレクシアかどうか!が先にたってしまい、本来のストレスの少ない学習環境の構築とは一歩離れた議論になっているように私は思います。
今回お伝えしたいのは、「どのフォントが正解か」「どの背景色が一番いいか」という話ではありません。そうではなく、そもそも『見やすい』とは、どの段階で決まっているのかという点です。